海外大学出願に必要な事項

海外出願のために必要なもの(MIT focused version)

準備する必要のある事項はMITに応募する人なら誰でも共通ですが、
文章中のコメントは理系が得意で、東大がすでに射程圏内に入っているような高校生(要は高校時代の自分と似た境遇の人達)
をメインの対象読者として書いています。

!!!!事前準備も含めると、余裕を持って出願プロセスを完了するには1年弱かかるので、早めに(できれば高2のうちから)準備をはじめること!!!!

目次
(大まかに準備するべき順番で並べました)
1.TOEFL
2.SAT
3.推薦状
4.Essays
5.Common app (or MyMIT)

1. TOEFL
日本からの留学の場合、よほどの海外経験がない限りは試験を受けて英語力を証明する必要があります。多くの大学で英語力証明のために受け入れられているのがETSの主催するTOEFLという試験です。英語力を持っていることはその後の出願過程でも必要となってくるので、まずは集中して英語を勉強してTOEFLを片付けてしまいましょう。

現在主流となっているTOEFLの形式はiBT(internet based test)と呼ばれるもので、試験会場でパソコンを利用して受験します。iBTはReading, Writing, Listening, Speakingの4つの分野に分かれており、ReadingとListeningは英語のボキャブラリーさえちゃんと抑えておけばどうにでもなるのですが、writingとspeakingは練習をしないと高得点を取るのは難しいので注意が必要です。私はspeakingで緊張してしまってなかなか良い点を取ることができませんでした。
点数は90/120が最低限、100/120あれば安心できるというところでしょうか。

2. SAT
SATはイメージとしては日本のセンター試験のような感じなのですが、年一回で全てが決まるセンター試験(※2016年現在)と違って、SATは年に複数回行われるのでやや気が楽です。TOEFLに比べると会場が少ないので、おそらくどこかのインターナショナルスクールなどに行って受けることになると思います。
SATはgeneralとsubjectの二種類に分かれていて、それぞれを別々に受けなければいけません。generalはwriting, critical reading, mathの3分野に分かれていて(※こちらも2016年現在の状況)それぞれ800点満点の計2400点満点の試験となっています。Mathは日本の大学入試に比べるとレベルが低いので、過去問を数回解いて問題形式に慣れてしまえば問題ありません(※私自身はケアレスミス癖が抜けなくて満点が取れなかったのは秘密である)。問題はwritingとcritical readingですが、こちらはTOEFLよりも遥かに難しい単語が必要となってくるので、まずは単語力増強が重要になってきます。SAT用の単語帳(英語版のものをAmazonで購入するとか、Apple storeでアプリを購入するなど、今時だと入手法はたくさんあるはず)で単語力をつけるとともに、Princeton reviewなどが発行している模擬問題集で問題演習を積みましょう。
Subject TestはUS history, Math(Level I, LEvel II), Physicsなどの複数の科目に分かれています。殆どの大学では2科目分の点数を要求することが多く、理系の場合はMath Level II 。どちらも難易度は高くない(日本のセンター試験よりもはるかに簡単)なので、複数回過去問を解いて問題形式に慣れさえすれば、全く問題なく高得点が取れるはずです。
SATはいつ受けてもかまわないため、時間に余裕があるなら高2のうちに受けてしまいましょう。
※追記※
MITだけを受験する場合、英語を母国語としない留学生の場合には、SAT generalを受けずにTOEFLの点数を提出するだけでも構いません。

3.推薦状
上記の2つはただの試験なので、日本の入試勉強に慣れている人なら割と違和感なく対策に取り組めるのではないかと思います。変わって3.以降はアメリカの入試独特のシステムが如実に現れた要求事項となっています。
推薦状は出願者の人となりを知る鍵となる情報となるので、アプリケーションの非常に重要な一角となります。米大学入試の場合には、高校の先生からの推薦状を要求されることが多いです。MITの場合は、理系の先生からの推薦状が一通と、文系の先生からの推薦状が一通要求されます。先生の英語が達者でない場合は、英語の先生に翻訳をお願いするなどして助けを借りましょう。実際に推薦状を書いてもらうのは出願の三ヶ月前ほどで十分間に合うのですが、良い推薦状を書いてもらうためには、普段の高校生活での先生との関係性が重要になるので、予め意識しておきましょう。また、推薦状をお願いする際には、ただ漠然とお願いするのではなく、どのようなことに焦点をおいて書いてほしいかを具体的にお願いすると、より説得力のある推薦状を書いてもらえるはずです。


3-5.脱線
アメリカの多くの大学は、応募書類の電子化された出願書類投稿サイトを共有しており、Common Appsと呼ばれています。HarvardやStanfordなどの大学に応募する場合には、Common Appsに全大学共通の書類を提出したうえで、各大学ごとの追加の書類を提出するという形になります。具体的にどのような書類を提出するかについては5.で説明します。
一方で、MITは我が道を行くことが好きなのか、Common Appsを使用せずMyMITという独自のシステムを利用しています(※2013年時点の確認)。そのため、他の大学と応募書式等が異なることがあるので注意が必要です。

4.Essays
アメリカ大学入試のもう一つの特色として、複数のEssayを書くことが挙げられます。一般的には、500word程度のEssayを2つ程度Common Appを通して全大学に提出した上で、大学個別の500word程度のEssayを追加で提出するという形になります。殆どの大学はありきたりな質問しかしてこないのですが、シカゴ大学などは非常に独創的な出題をしてくるので、色々な大学のHPを訪れてEssay Questionを確認してみるのも楽しいかもしれません。
前記のようにMITは他の大学とは違うシステムを採用しているので、Essayの形式も少々変わっています。500words程度のEssayを3つ程度提出のではなく、MITには100-250words程度のEssayを6つ提出することになります。個人的には短い方が楽なのでこれは助かりました。
エッセイの課題は例年7月か8月ごろに公開されるので、こちらはあまり早いうちから心配する必要はないかと思います。

5.Common App (or MyMIT)
Common Appに提出するのはEssayだけではありません。それ以外にも自分の履歴書を提出しなければいけません。履歴書の多くは事務的な内容なので難しいことはないのですが、「実績、課外活動」の部分だけは話が違います。
この欄には自分の課外活動の内容をリストアップするのですが、その内容次第で評価が大幅に変わってきます。この「実績、課外活動」欄に何かしら相手を感心させるようなことが書けない場合、海外大に受かるのはなかなか難しいと言っていいでしょう。この欄を充実させるためには、日頃から目的意識を持って課外活動に取り組むことが重要になってきます。

??結局、海外大に受かるためには何をやればいいの??
学年別にやるべきことをまとめてみました
高1、高2:あまり海外受験の具体的なことは気にしなくていいが、英語の勉強と、何かしらの課外活動に力を入れること。TOEFL100点はこの時期に乗り越えておいたほうがよい。どんな課外活動をするかは好みによるでしょうが、ロボコンのような工学系のコンクールだとか、学生科学賞、JSECのような学術研究発表のコンクール、あるいは科学オリンピック系の大会に出るというのが、理系の高校生としては一番取りやすい進路でしょう。(※2010年入学から2016年入学までの7年間に、日本の高校から直接MITに留学した男子学生は3人しかいないのですが、全員何かしらの科学オリンピックでメダルを取っている、と言えば、MITの科学オリンピックへの偏重具合がわかるでしょうか)
高3:1学期はSAT受験の傍ら、Common AppsやMyMITのなかで何が必要なのかをリストアップし、学校との協力が必要な物を片付けていきましょう。(この記事では省略したのですが、Common Appsには上記の事柄以外にも埋めなければいけない項目が色々あって面倒なので、早めに取り掛かれるものは早めに始めておくに越したことはありません。)。夏休みになればEssay等が公開されるはずなので、そのあたりから本格的にCommon Appを埋めていきましょう。
私は準備に取り掛かるのが遅かったので高3の秋に集中して試験を受けなければならずわりと苦労したので、みなさんは早め早めに準備に取り組んでください!