MITの授業システム Pass or No Record P/NR

MITの特徴的なシステムの一つにPass or No Record と呼ばれるシステムが有ります。
これは、MITの一年生の一学期に受講した授業は全てPass(合格)かNo Record(記録なし)という扱いになり、A,B,Cなどの成績はつかないということです。

なぜこのようなシステムが採用されているのでしょうか?日本の多くの大学と異なり、アメリカの大学生は授業の成績を非常に気にします。なぜなら、就職する際や大学院に進学する際に、大学での成績が非常に重要視されるためです。そのため、皆がAを取るために努力を重ねます。
皆が真面目に学習に取り組んでいるというのは勿論良いことなのですが、新入生に取ってはこれは大きなプレッシャーです。大学入学直後では、授業のためにどの程度勉強できればいいかもよくわからず、学業と課外活動のバランスを取ることも大変です。その上、MITの学生は勉強をしすぎて自分を追い込むような人が多いため、一年の一学期から難しい授業を取り過ぎてしまう可能性もあります。そのため、一学期はPass/No Recordを導入することで学業面のプレッシャーから開放し、大学に適応し、様々な課外活動等に取り組みやすくなるようなシステムになっています。他のアメリカの大学でこのシステムを導入しているところは少なく、MIT独自のシステムだといえるでしょう。