長距離力が働く系の熱力学、統計力学[執筆中]

前回の記事、「水素型ポテンシャルの分配関数」(http://d.hatena.ne.jp/tomosoeoc/20150404/1428122715)では、
水素型ポテンシャルの分配関数が体積にどのように依存するかについて分析しました。
そこで、体積が小さい領域では分配関数がVの1/2乗に比例することを根拠に、この系は熱力学的にやや不自然な振る舞いをすると結論しました。
この点について友人から幾つか疑問点が提示されたので、それについて考えてみたいと思います。

ポイントは
・「体積が小さい領域」とは、Vの1/2乗の項がVに線形な項に比べて無視できない領域のことを言う。
この領域の大きさは、「ミクロな大きさ」とは限らない。(なぜなら1/rは長距離力だから)
実際、電荷などのパラメーターが変わればVの1/2乗の項の係数は変わるし、「体積が小さい領域」の体積はいくらでも大きくなりうる。
・長距離力の存在下では、系は相加性を満たさない。(清水熱力学より)
・V^1/2乗という寄与は、Vが無限大に飛ぶ極限を取れば消えてしまうので、系の挙動に影響はないかのように見えるが、
実際には系の様々なパラメーターのゆらぎの大きさと同じなので、そこに影響しうる、気がする。(まだ真面目に考えていない)